高校の放送局向け、PA機材マニュアル その4 スピーカー編

・Hi/Low
まともなPA用スピーカーなら必ずHiスピーカーとLowスピーカーが用意されている。文字通り高音と低音を出すスピーカー。
横から見るとHiは<、Lowは(といった形になっている。普通はHiが上。
・ポータブルスピーカー
スピーカーのうち、SX300のようにHiとLowが同梱されていて、ひとりでも簡単に持ち運べるのをポータブルスピーカーという。
そうでないスピーカーは大抵HiとLowがちがうパッケージで、人間の一人くらい軽くのっぺりさせられるくらいのデカブツ。
・chディバイダー
Mixer→GEQのあとに時たまはさまれる、HiとLowを一度分割して音量を調節する機材。
ポータブルでないスピーカーでは音出しの関係(後述)で必須。
・端子の種類
スピーカーに使用できるのはフォーン/XLR/スピコン。
まず、フォーン。NEUTRIK形式じゃない限りものすごい抜けやすいし、アンバランスのも多いから使いたくない。
XLRは抜けにくいしバランスなんだけど、やっぱ許容電力の関係であんま使いたくないなあ。
基本的にスピーカーにはスピコン。バランスだし、抜けにくいし、許容電力高いし。
・2芯/4芯
スピコンの最大のメリットはこれ。普通のコネクタ/ケーブル(2芯スピコン含む)はHiとLowを混ぜて送るけど、4芯はHiとLowを分割して送ることができる。
Lowが1+-、Hiが2+-を通して送られる。2芯の場合1+-のみ入っていて、それでHiもLowも送る。
もちろん分けて送るには4芯に対応したPowerAMP(HiとLowを分割、4芯のコネクタがあるorHiとLowのコネクタがある)が必要だけどね。
何が便利って、HiとLowを完全に分割したまんま送れることなんだよね。2芯だと最終的にスピーカーの中で分割しなきゃならないけど、4芯だとそれがない。しかもその分割の比率(=音量)をchディバイダーやPowerAMPでいじれるし。
ちなみに、Lowスピーカーに繋ぐときは2芯でいいけど、Hiスピーカーは4芯で。Hiの音は2+-で送られるから。
2芯の1+-を4芯の2+-にくっつければ済む話なんだけど、めんどくさいべ?
・SubLow
ライブなんかだとLowの他にSubLowスピーカーが置かれる場合がある。超低音を担当するスピーカー。
MidLow(SubLowに対するLowの呼び方)だけでも超低音は出るんだけど、SubLowを置くとそれはもう背筋が痺れるぐらいの素晴らしい超低音が得られる。
予算が許すんだったら絶対に用意しとけ。
・音出し
chディバイダー使って音出しするときは絶対にHiだけを先に出す。
Lowの音っていうのは電力が大きくて、もし結線が間違ってLowの音がHiに繋がれたまんま音出したらHiスピーカーがエラいことになるから。
Hiの音がLowスピーカーから出ても機材にダメージはないから、まずHiから出す。それで妙にくぐもった音が出てきたらどっかで結線間違ってるってこと。
Hi→MidLow→SubLow→Hi&MidLow&SubLow→バランス調節、ってのが基本。
・屋外
屋外で汚れ防止のためにビニール袋つけたりするけど、そのときに使える小技。
普通に密着させて貼るとLowの音がビニール袋に衝突してバチバチ言っちゃうし、かといってゆるゆるにすると力の抜けた音になる。
そーいうときは微妙にゆるませてみる。目安としてはLowスピーカーのど真ん中で1cmぐらいの隙間ができる程度。そうすると衝突が防止できるんだよ。
まああまり見てくれのいいものじゃないから、よほど酷い環境(砂塵舞い上がるグラウンドのど真ん中とか)でない限りは裸のまんまやらせたほうがいいね。そんな砂がちょっと入ったぐらいで即死ってなるほどスピーカーは脆い機材じゃないし。
どっちかっつーと音に深みを持たせるためにほとんど空洞だったりするんだよね…Lowとか特に。